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ネイティファス
淫語ボイスドラマ製作サークル ネイティファスのブログです。

幻想世界マインディア 真END(?)

とりあえずのこれで完結と。



マインディアのネタばれになりますので
未プレイの人は云々。


次SSはリミットトランス∞シリーズになると思います。





 幻想世界マインディア 真END(?)


キーアイテム 血塗られた新聞の切れ端1~3




「馬鹿な、この私が……だが……マインディアもろとも終わりだ……ギャアアアア――」
 僕の渾身のリアリティをこめた一撃が決まる。
 マインディアを絶望により支配しようとしたマインドサキュバス――キルエは絶叫のような断末魔を上げ、黒い霧のごとくねじれ渦巻き次元の歪へと消えていった。
 とても苦しい戦いだった。ディア様の命を受け、なぜか勇者としてこの世界を救うことになった僕。いつもどんくさくて怠け者で頭も悪くて全てにおいて大体ネガティブな勇者カケルは、ついにこの長い旅路の終着点を迎えたのだった。
 様々な誘惑に次ぐ誘惑。精神を苛む凶悪なマインドサキュバスの責め苦。
 何度もくじけそうになったけれど――ディア様の加護を受けた僕には不思議な補正が働いているように思えた。僕はやはり勇者だったのかもしれない。
「はぁ……はぁ……」
 大げさに肩で息をつく。キルエは消え去った。これで世界は救われる――。
「くっ……」
「あっ! ディア様よかった……」
 僕を導いてくれた女神様。しかしその表情は暗かった。眉をひそめて本当に苦しそうだ。
「カケルよ……よくやりましたね。けれど、もう私はもう終わりです。あの者がマインディアにもたらした絶望は……私では修復できないくらい……」
「ええっ? そんなディア様……」
 面食らう僕。実際、マインディアは崩壊の一途を辿っていた。ぽろぽろと剥がれ落ちていくリアリティ。色失い音を失い空間を失う……絶望という感情が世界を塗りつぶし、今にも足元から奈落の暗闇へと落ちていく寸前だった。
「そんなのってないですよディア様。僕は何のためにここまで……うっうっ……」
「いえ、あなたはよくやりました。泣かないでください……」
 どうしてなのだろう? 腑に落ちない数々の疑問。彼女達の目的は一体何なのだろう?
 そして……いや僕の存在も。マインディアという世界も。
 そう、今感じる奇妙な違和感は、この新聞の切れ端を見つけてから膨大に膨れ上がった。
 血で赤く濡れて所々見えないが、一人の女性が何人もの人を殺してしまったという内容だ。
 これは精神世界であるマインディアにおいてはおかしすぎる。なぜ、こんなものが存在しているのだろう?
 そして僕の心の天秤は揺れ動いている。左右にぐらぐらと振れ、決して一点に止まることはない。

 引っかかる疑念と倒錯――。
 キルエ――彼女を見たとき、僕はその顔を知っていたような気がした。

 絶対に、ありえないはずなのに。幻想世界マインディアで、僕はぐうたら平和に過ごしてきたはずなのに。
「さぁ、カケルやカケル。この世界はもう終わりですが……あなただけは……」
「いや……違う! 僕は知りたいんです。どうか教えてください。この新聞の切れ端……。そして僕は彼女を知っていたんです。いや。キルエだけじゃない……他のマインドサキュバスだって、どこか懐かしい感じ……かすかに……」
 僕は感情にまかせて言ってみた。このまま喉元に何かが引っかかったような心地では、消えても消えきれない。
「……?」
 きょとんと不思議そうにするディア様。 
 数秒、無表情が続いたかと思うと、急に目元に指を当てながら笑い出した。
「ふふふ……ふっふふふ……」
「デ、ディア様?」
「あーははは、うっふふふふふ……。さすがは勇者ですね。私の与えたヒントに気づくとは……だいぶ難易度高めにしたつもりなのですが……。ぐうたらと言っても、案外根気があるのですね。ふふふ……」
「ど、どういうことですか?」
 急な展開に頭が追いつかない。そして――世界を覆う絶望がすっと消え去っていた。ディア様も笑顔でぴんぴんしている。これは一体――?
「色々思うことがあるでしょうが……。簡潔に言いますねカケル。あなたは――この世界の人間ではありません」
「は、はぁ」
「肉体を持つ人間です。私があなたをマインディアに呼び寄せ、記憶をなくしてから世界を救う勇者としてしたてあげました……」
「そ、そんな……」
 なんてことだろう。僕はこの世界の人間ではなかった。あの記憶、アディアの家でのんびり過ごしていたあの時間、僕はずっと騙されていたのだろうか?
「マインディアは私の力で成り立っています。感情を媒介にし、リアリティに変えて世界を創造する――。私の世界、何でもできる。私のための……」
 ディア様が語り始めた。うっとりと自分自身に心酔するような恍惚な表情で――それは今まで僕に見せたことの、個人の欲望にすっかり染まりきった下卑た顔だった。
「人間が織り成す感情は、非常に愛おしいものです。ほんの少しスイッチを操作するだけで、思い通りに操ることができます。そして、私は外の世界の存在を知ってしまったんです。肉体を持つ数多の感情製造機の存在を……」
「……」
「私の箱庭で育った人間は、何でも従順に思い通りになりますが、予想つきすぎて飽きてしまうのです。だから、私は外から人間を連れてくることにしたんです……」
 滔々とディア様が話していく。僕はそれを不思議な気分で聞いていた。
「そうです……マインドサキュバスは――『外』から来たんですよ。ふふっ。ほらおいでなさい!」
 指をぱちんと鳴らす。誰かの面影――長い髪の毛を振り乱し、ぎょろつき血走った目をして、右手は今まさに人を殺してきたような血をべったりと粘りついた包丁を持った女性がぺたんと座りこんでいた。
 僕は彼女をよく知っている。だってさっきまで――。
「あっ! この人は……」
「そうです。彼女はキルエです。切理絵さん、本名織田切理絵さんといいます。れっきとした肉体を持った元人間ですよ」
「ま、まさか。僕が戦っていたのが……人間だなんて」
「ふふふっ。これからはちょっと生臭い話になりますがいいですか? 私の可愛いカケル?」
「え、ええ。僕は本当のことを知りたいですから……」
 それはとても望むことだった。ここまできたら、何でもいいから知りたいと思った。
「そうですか。では話ましょう。彼女は肉体を持つ世界で類まれなる殺人鬼でした。その新聞記事は彼女のことを書いたものです」
「ああ……そうか」
 新聞の切れ端。前代未聞の殺人事件。そう考えるとつながる気がする。妙なデジャビュ感も、これほどまで有名な殺人鬼なら僕が知っていたのもおかしくはない。
「彼女はすごいですよ。もう殺して殺して殺しまくりました。女性ながらにして手口も鮮やか。しかも中々捕まらず捜査の網を幾度も潜りぬけました。手始めに幼児を数人殺し、自分を否定ばかりしている誇大妄想女といつも笑っている超ハッピーなお姉さんも殺し、優しい看護婦さんも有名舞台女優もふくよかな保母さんも他人の彼氏を寝取り大好き女もセクシーでドSなSM嬢も殺し、自分では何もしない怠惰の少女も天真爛漫なボクっ娘少女も心が読めるような占い師も……他にもとにかく殺しまくりました」
「……」
「彼女は絶望を与えるのが大好きでした。時間があれば一思いに殺さずじわじわいたぶりました。絶望が、絶望が好きなんです。はぁはぁ……他人の感情をここまで揺さぶり破壊し弄ぶ姿――この私でもぞくぞくしてしまいました!」
「……」
 僕は沈黙していた。一体、この女神様は何だったのだろうかと考えていた。押さえつけていた感情を、今淫らな愉悦に浸りきった顔で――へらへらと僕の前で熱く語っている人は。
「しかし、悪事というのは因果応報というもので、必ず自分に返ってきます。結局些細なミスがもとで、かわいそうに切理絵さんは捕まってしまったというわけです。ああ無念だったでしょうね……もっと人を絶望させたかったでしょうね……。独房では毎日苦しく苦しく……死刑の日まで悶え狂いながら……本当にかわいそう……ねぇ切理絵さん?」
「あ、ああ! そう! 私はもっと殺したかった! 絶望を与えたかった。それが私の役目だと思ったから……いつかきっと、白い天使の翼を広げて……だから、だからぁ――!」
 ぼりぼりと頭をかきむしりながら、黒いワンピースの女性はしわがれた声で叫んだ。顔は般若のように険しく歪みきっていた。
「うふふ♪ この振りきれた感情――いつも見ても素晴らしい……。このまま貴重な彼女を失ってしまうなんて……許されるはずがありません。ただ肉体を破壊したというだけで、死刑になって愚かな輪廻の潮流に吸い込まれて消えてしまうだなんて――」
「……」
「だから私が優しく拾ってあげました。白い糸で細かく編まれたふわふわのハンモックで……。ああ私はとってもいいことをしました。さすがディア様……崇高なるマインディアの女神様……それが私……ふふ……」
 女神は喜悦の表情だった。さすがに僕も、もう聞いていられなくなった。今までの話を総括すると、稀代の殺人鬼をマインディアに呼び寄せて僕と戦わせて、何の意味もないことを――。
「くっ! お、おかしいぞ! 人間を何だと思って……」
「あらまだ話は終わっていませんよ? 最後まで聞きなさいなカケル……」
「……」
 にんまりと甘く僕をくるむような笑顔だった。ただし口角は醜く釣りあがっていた。
「絶望で世界を支配せんとするマインドサキュバスの首領――。悪のカリスマである彼女には、まさにうってつけの役でした。もちろん人間界での記憶は全て消してあります。私のゲームには余計な要素は含まない方がいいですから」
「……」
「そして、私はここでも頭がいいんです。切理絵さんに殺された人間……心半ばにして……まだ色々やりたいこともあったでしょうね……。ああだから、私はその人達も救ってあげたのです。結果、強力なマインドサキュバスとして勇者の前に立ちはだかってくれました。ふふふ……」
「な……」
 まさか、本当にそんなことってあるのだろうか。マインドサキュバスは全員狂った殺人鬼に殺された元人間だなんて。自分を殺した相手に、死んだ後も支配されているなんて。
「あ、あなたは悪魔です……」
「ん? 何が悪魔なんですか? この私に意見する気ですか? 単なる勇者という駒――変態坊やで何からもすぐ逃げ出しちゃうカケル君♪」
「う……」
「別に記憶は消しているから問題ありません。むしろ私が優しいんです素晴らしいんです。やりたいことやれなかったこと――全部マインディアで叶えられるんですから……。ふふふっ、そうですよ。あなたが負ければよかったんです。彼女達の願望を叶えてやればよかったんです……」
 女神はさらに調子よく立て板に水だった。僕はそれを黙って聞くしかなかった。
「誘惑に負けて気持ちよく虜になって射精してあげればよかったんです。否定されて狂って絶望して消えてあげればよかったんです。クズで童貞で彼女もいないあなたと願望が一致していたんです。リアリティを絞り取り、勇者を倒した暁には私が素敵なごほうびをあげる予定だったんです。私が考えたゲームで、マインドサキュバスと勇者が戦う素敵なゲームです。簡単に終わっては面白くないですから、ゴミでクズのあなたには強烈な勇者補正を与えてあげましたが。それでも心配でしたけどね、うふふ♪」
「……」
「そして――あなたは勇者として見事、私が創造した最強のマインドサキュバス――キルエの野望を打ち砕きました。カケル、あなたのリアリティが勝ったのですよ。私の予想を遥かに超えた……強靭なリアリティで……。本当に予想していませんでしたが……」
 もうどうでもよくなっていた。内容も頭によく入ってこない。
 ただ一つ、僕の中に巻き起こるのは、このにやけ顔で喋る女神の顔面に一撃を加えたいであろうことだ。
「しかも、あなたは私の仕掛けた微少なヒントに気づきました! 何と素晴らしい! マインドサキュバスの正体に迫る――極めて重大なヒントを……」
「……僕が知りたかったのはそんなことじゃない」
「あらそうなんですか? でもそんなことはもうどうでもいいんですよ。世界を救った勇者にはごほうびをあげましょう。素敵なごほうびですよ。本当ならば、あんまり私がでしゃばるのはよくないと思って、ささやかなプレゼントを贈るのですが……真実を知ったあなたなら……それはもう……」
「うるさいっ! い、いくらなんでも怒るぞっ!」
 いい加減、堪忍袋の尾が切れた。全く人の話を聞かずに自分に一人だけで悦に入っている。
 ある意味、マインディアで一番やっかいで凶悪なマインドサキュバスだと思った。
「……はぁ?」
「はぁじゃないです。もうお前は女神様なんかじゃない……ぼっ、僕を元の世界に返せっ! こんな世界はもう真っ平だ……。どうして僕がこんな目に合わなくちゃならないんだ……。もし、本当に僕が記憶なくしているのなら……肉体という現実の体を持っているのなら――」
 僕はそう言ってみた。マインドサキュバスなんかもうどうでもいい。僕は僕として僕の真実を知りたかった。
「……ふふ。私の駒のくせに生意気ですね。ここまで歯向かってくるとは予想外でした。ええカケル、あなたの頭の悪さに――。でも、あなたの働きに免じて非礼は許してあげましょう。ええ、あなたが肉体を持つ世界の人間というのは本当ですよ。ちゃんと今からでも戻れます。確実にディア様は嘘をつきませんから。ふふ」
「そっ、それなら」
 僕は握ったマインドソードに手をかける。キルエを倒したこの剣ならきっと――。とにかくこの女神の顔をぶったぎってやりたい。今この状況ならたぶん絶対実力行使も許されるだろう。
「はぁ……マインディアにいる以上、まだ私の駒なわけですが。これが人間というやつですか。ちょっとがっかりしましたね……」
「う、うるさいぞ! 僕はやるっていったらやるんだ!」
「ふふっ♪ わかりました相手をしてあげましょう。ただし、あなたには二つの選択があります。私を力で持って叩きのめすか――純粋に真実を知りたいか、二つに一つです」
「そっ、そんなの……」
 何が二択なのだろう。こんなの女神を倒して真実を知るしかないのに。そう、ゲームの創造者を倒して、新たなる世界へと勇者は飛び出す。そんな展開が僕を待っているはずなんだ。このくだらない絶望ゲームから、僕は抜けださなきゃならないんだ。
「決心は決まりましたか? さぁあなたのリアリティを見せてください……ディア様が受けとめてあげますよ……」
「くっ……」
 女神がおいでと白い両手を広げている。さっきまでふつふつと沸いていた怒りの感情がかき消えてしまいそうだ。
 どうする? 一体僕はどうすればいい?
 選択は……二つに一つだ。


 ※選択肢

 1 問答無用! クソ女神め覚悟しろ! 
 2 僕は真実を知りたい……





→2 僕は真実を知りたい……

「うっ、あぁ……」
「うふふ。どうしたのですか? あなたを弄んだ私を早くメタメタにしないのですか?」
 怒りの灯火がふっと消滅していく。洗い立ての白一面の毛布に、全身をくるまれているような心地がした。
 真実――真実って何だろう?
 僕はディア様の目を見据えた。そう誘導された。ニコニコと笑う優しい瞳に吸引された。
 心がリアリティが、僕の思考と本能を一点に集約させ服従の言葉を紡がせる。
「僕は……真実を……知りたい……です」
 言った瞬間、全身が未曾有の快楽に満たされる。絶望とも希望とも似つかぬ、超幻想的で崇高な何かに――。
「あら真実を知りたいのですか? さっきまで……私を倒そうとしていたと思いましたが……」
 音もなくふわりと接近、そして透き通るような白い胸元に抱え込まれる。
「あうぅ……ディア様ぁ……僕僕ぅ……」
「……悪い夢を見ていたのですよカケル。ディア様はいつでもあなたを見守っています……」
「うぁぁ……」
 心の片隅では、どこか違うと感じていた。この女神はさっきまで自分の悪事をこれみよがしに披露していたのだ。僕のことなんて本当にゲームの一要素に過ぎないと思っているはずなのに。それなのに――。
「ああっ。ディア様ぁ……暖かいよぉ……」
「うふふ……。これが真実ですよ、カケル……」
「はぅぅ……あぁぁぁ……♪」
「私が与える最上のリアリティで満たしてあげるのです……。そうすればあなたには肯定しかありません。もう希薄になることはないのです。マインディア中のリアリティをあなたに……ほら喜びなさいお泣きなさい……狂いなさい酔いしれなさい何もかも解放するのです……さぁ」
「あっ、あぁぁぁぁ――♪」
 感情の胎動と隆起が爆発歓喜する。様々な感情が融合し入り乱れて、一つの巨大な鍋に溶け込んだシチューのようにぐつぐつ沸騰している。
 僕はその鍋の中であっぷあっぷと泳いでいた。もうわけもなんだかわからない。悲しい気もするし嬉しい気もするし、エッチな気もするし絶望もするし嫉妬も眠いのも空腹もくやしいものなんかめちゃくちゃにあちこちで暴発噴火している気持ちも外から流れ注ぎ込んでいるし。
「あんんっ♪ これがぁ? 真実? 溶ける溶けるよぉ……感情のメルトダウン……ふわぁぁっ♪」
「ふふっ♪ そうですよ、これが真実です。気持ちいいでしょう? 安らぐでしょう?」
 僕はもはや発狂し幾千数多の感情に飲み込まれながら溺死した。
 白い糸が白鳥の機織のごとく、繊細に憂いと嘆きを乗せてしんとした石畳に静謐なよろめきを交えながら倒れ込んできた。
「はぃぃ……あひぁっぁぁ……♪」
「うふふ♪ だいぶ出来上がってきましたね。さ……そろそろここにも入れましょうか?」
「うぁ……」
 女神――が僕の真芯を握り引き寄せた。リアリティの勃起機関を、全ての母なる冷凍保存ケースに今抽入するべく。
「くっ、あっ……」
「もうわかっていますね? さぁリアリティを注ぎ込みなさい……」
 物理体重の女神位置から変動――みちみちと卑猥破裂音を奏でながら、肉壁愛撫を加重しつつ融和機能が着々と連結推移されていく。
「ああっ。固い……固いっていうより……」
 硬化凝縮。粒粒なる感情粉がつぶさに僕を導きながら援護する。
 開かれる女門の稀有な極卒問答記、しだいに粛々と風穴を倍化し、粘帯地域を蜜土に浸透吸着し回帰のらせんに当然帰結していく。
「は、入るよぉ……ディア様ぁ……ああぅあぁはぁ……」
「好きなだけリアリティを解き放つのです。あなたのマインディアがここにはあります……」
 目まぐるしく変貌する圧迫精度にのたうち回る。ディア様は慈愛しながら僕を祝福してくれた。この世にディア様と唯一無二に存在する多幸感と未曾有の極楽空間に感謝する。
 数乗算回にわたり自己射精した。もっと放出し捧げたい。単一の性的興奮を超越暴露した、多数視点要素集合に敬礼萎縮を打ち込みながら。
「んぁっ……へぇ……ひぁ……ぁ……」
 言語技術の崩壊と視認高度の鈍磨、振動反応による痴情も痛々しくこそげ落ちた。
 もはや何を持ってして自己をとらえるかも難しい。積極的俯瞰は清楚で美貌女神の一声へと閂をさすり続けた。
「うふっ♪ うふ……うふふふ……♪」
 変わらず依然として腰つきは扇動していた。
 無限なる悠久のマインディアに、我はただ一部分の設置として玩具となり続けた。
 永久に永久に、これが真相だと理解して――。



→1 問答無用! クソ女神め覚悟しろ!

「寄るな外道女神め! 僕は全力を持ってお前を倒すっ!」
 僕は感情を激昂させて女神に啖呵を切った。こうなってしまってはもはや後にはひけない
「おやおや……。創造主である私……神に逆らうということですか? とても頭に脳ミソがつまった生き物の考えとは思えませんが……。とんだ凡愚でしたか……」
「うるさいぞっ! とにかく僕はやるったらやるんだ……。僕の力で……運命を――切り開く!」
 いつもは怠惰すぎる僕だが、この時ばかりはかっこいいような気がした。このまま最悪な女神の言いなりになっていては、何も始まらないと思った。
「ふふっ♪ いいでしょう。それでこそ勇者です。定められた運命に異を唱えるもの――それは英雄か奴隷か、あなたの力で示してみせなさい」
「のっ、望むところっ!」
 剣を構える――。ついに幻想世界の決着の火蓋は切って落とされたのだ。
「あ、ちゃんとぎりぎりで勝てるように調整してあります。私は気がききますから……」
「なっ何を言ってるっ! いくぞっ!」
 僕はついに突貫した。


※ 女神ディアの攻撃

ディアは耳元で囁いてきた!
「悔い改めなさい……。本当はわかっているのでしょう?」
「膝枕ですか? それともおっぱいがいいのですか……?」
「あなたの役目は終わったのですよ? それでもまだ戦いますか?」
「カケルやカケル。私の可愛いカケル……」

ディアは白い谷間をゆさゆさと揺らしてきた!
まばゆく光る双乳に我を失ってしまいそう……。

ディアは慈愛の右手をそっとかざしてきた!
とろけるような幸福感が頬からふわりと広がっていく……。

ディアは救済の左手を差し伸べてきた!
立ち向かう意志の力が永遠の白に溶け込んでいく……。

ディアは澄んだ瞳でみつめてきた!
その純真さになぜか罪悪感が募る……。

ディアはローブの端をつまみふわりと持ち上げた!
チラチラ見え隠れする白い美脚に見蕩れてしまいそう……。

(一定ターン数経過で発動 即死技)
ディアはマインディア中のリアリティを集結させた!
究極ともいえる白の衝撃が精神細胞全てを駆逐消滅させる!



・負けた場合

「はぁはぁ……も、もう少しだ……」
 僕は必死で頑張った。これ以上ないぐらいの必死さで頑張った。
 めくるめく誘惑に耐え囁きに耐え洗脳に耐える。これまでマインドバトルで培ってきた経験は決して無駄ではない。
「ふふ……」
 悠然として口元に笑みを湛える邪教の女神。でも僕は知っている。白い像の歪みを如実に感じている。
 おそらくは最後の一撃――。それで僕はこの世界から脱出するんだ。
「えええぃ――」
 僕は剣先を女神に向けて、ありったけの波動が叩き込もうとする――。
 が、しかし。
「おや。時間切れですね……。残念ですが……」
「なっ、何を……う、うわぁぁぁああ――」
 それは数秒コンマ刹那の出来事。
 全身を突き抜ける無数のレーザーが、リアリティもろとも一面をなぎ払った。
 何が起こったのか。それを了解する前に僕の思考回路は消滅してしまった。
 

 一面の白。いや、白とは認識できない。ただし透明でもない。いや透明も認識できるわけではない。
 ただ一面ただっぴろい、何も存在しないというわずかな理のもとにこの平面は存在しているだけだ。
 上下右左、奥行きと上昇下降軸もやはり認知は至上高難度、時間の進みすら到達感知できない。
 僕は一人称で立つことすらも許されず、その絶望なる第一歩の歓迎会すら拒否される、最も不幸でもあり幸福な――唯一の空っぽヒューマノイド。
「……」
 声を出す意欲、そこまでもたどり着くまでゆうに数千里。無音であることの瑕疵さえも微塵も通ずることは皆無。
 しばらく傍観状況に推移を見守っていた。
 億千の時が優雅に宇宙で談笑したかもしれない。それは似非飛行のようでもあった。
 淡き黄昏に、白い蜘蛛糸はついついと滑らかな下降曲線を描き、音響事象を片手に舞散ってきたのだ。
「カケルやカケル。あなたの名前はカケルです……」
「え……?」
 白い手――と感知。そして存在証明としての二足女神の渇望が僕を新たなる事実として覚醒する。
 僕はリアリティを感じ、蘇った。
「ディア様ぁ……」
「うふふ♪ 何も考えなくていいのですよ? さぁ……」
「うむぷ……」
 女神の豊穣なるお尻が僕の顔面を封鎖した。もちもちとした美尻が鼻や口元にむにむにとまとわりついてくる。
 柑橘類のような甘い匂い、それも大地の恵みとリアリティを芳醇に吸収に真っ赤に熟した、じゅわりと内側から染み出る果汁が満喫できる満足感。
「お尻ぃ……甘いよぉ……」
「お尻だけじゃないんですよ?」
 白い女神の感覚が、僕の下肢までその安らぎを広げた。
 艶かしい羨望の美脚が、僕の胸板からおへそからそれ以上までぴったりと張り付き感動を与えてくる。
「んっ♪ あっそこぉ……♪」
「カケルは脚が好きですからね。ディア様はちゃんとわかっていますよ……」
「ふわ、ふわぁぁ……」
 二つの足裏が、僕自身を擦りあげた。生まれたての赤ちゃんのような、柔らかい感触に歓喜のおたけびをあげてしまう。不愉快な摩擦は存在しなく、ただ官能愛撫によりもたらされる安心感と性的欲情に意識レベルは集中していた。
「うふふ……♪ どうですか? 女神様の美脚におぼれ続けるのは……」
「あっはぁい……♪ 最高ですディア様ぁ……。脚好きぃ……僕好きぃ……。一生このまま、いや存在すらを美脚に……」
 僕はわかってないようでわかっていたのかもしれない。何よりもっと甘えてしまいたい。
 このまま女神様の深部に虜になるまでくわえ込まれていたい。
「出してしまいなさい。あなたは私のものになることを約束されています。この世界で、永遠にリアリティを拘束されることを……」
「うぁっ、それ嬉しい……。僕っああずっと誰かに……見てもらいたくて……だから僕……でも僕要領悪くて怠惰で……ああ、わからないわからないよぉ……」
 悩み倒錯する僕という僕。リアリティの埃――繊細な一欠けらが埋没した記憶を呼んだのだろうか。
「考える必要はありませんよ? あなたは私に忠誠を誓い続けるだけでいいのです。この女神様の美脚の下で……」
「むっ、むわぁ……♪ わかりました……僕はディア様に一生涯リアリティを捧げま――あああっ♪」
 僕はペニスをぐっとすりつぶされた。はじける射精の感覚の余韻。肉体の可能性は存在しない、感情だけの神聖なマインドエッチ――。
 僕とディア様、つながっている。意味不明な取捨選択を強制されない幻想の世界。僕は求めていた――。いつでも求めていた。
「ここも舐めるのですよ……。もっとつながりましょう。一つになりましょう」
「はいディア様……。ぺろ、ぺろ……」
 一番甘くて美味しい蜜が出る場所を舐めた。とろりと舌から浸透するそれは、直接的に感情を奮い立たせ惑わせ狂おしいほど高ぶらせた。
 ディア様が欲しい、もっと欲しい。僕自身、ディア様の中で生きたい。そんな思いに心が疼き、ぱっくり石榴のように開かれた古傷から異形の何かとてつもなくおぞましい身の毛もよだつ醜悪な――何かが訪れを告げる。
「ふふ。やんちゃですね。でも今はこの空間を楽しみましょう。脚で……ほらおイキなさい」
「ふわぁぁ……♪」
 僕は再び絶頂した。足裏でこねくりまわされながら、亀頭を指の股で荒々しく扱われて精液を漏らしてしまった。
 何も悩むことはなかったんだ。永遠の時の中で、僕はディア様と終わりのない共有を体現できるのだから。
「ディア様ぁ……ディア様もっとぉ……♪」
「あらあら……おねだりですか? いけない子……♪ でも、そういう子ほど気になりますね……それっ♪」
「むぅっ……むむ……」
 色のあるピンクの重力が僕をひっしりと押しつぶす。その勢いでまたペニスからリアリティの残滓がどっぷりと漏れる。
 無限の彼方に広がる白塗りの異次元に向けて、僕の存在証明を迷うことなく垂れ流し続けた。
「ああっ♪ また出るよぉ……♪ 止まらなぁい……♪」
「出しても出しても、また戻ってこれます。ディア様はいつでもそばにいますからね……」
「は、はい嬉しいです……。僕、僕……あ――」
 無明の一時に僕は咆哮し宣言する。
 裏表のない次元世界に、女神の御手により丁寧に折りたたまれた紙片の一部として、一輪の折鶴として高く飛翔し共鳴させた。



・勝った場合

「はぁはぁ……も、もう少しだ……」
 僕は必死で頑張った。これ以上ないぐらいの必死さで頑張った。
 めくるめく誘惑に耐え囁きに耐え洗脳に耐える。これまでマインドバトルで培ってきた経験は決して無駄ではない。
「ふふ……」
 悠然として口元に笑みを湛える邪教の女神。でも僕は知っている。白い像の歪みを如実に感じている。
 おそらくは最後の一撃――。それで僕はこの世界から脱出するんだ。
「えええぃ――」
 決まった。手ごたえは十分にあった。
 現に女神の像は人型の体をなしていなかった。蜃気楼のごとく歪み、周りの景色に滲み染み出るように朦朧混沌としている。
 やがて、ほのかで正体がつかぬ白色のそれは、まるで粉雪のようにさらさらと擦り落ちて実体をなくし次元の闇に消えていった。 
「はぁ……はぁ……」
 息を落ち着け感情を整理する僕。枚挙する安堵とも似つかぬ不思議な気持ち――。 
 勝った? 僕は勝ったのか?
 女神の脅威は完全に去ったように思えた。
 僕は……運命に勝った――のか?
「カケル……」
「うわぁっ!」
 僕は飛び上がってのけぞった。女神はまた存在していた。考えの甘さをまたも思い知らされた。結局は神様、僕がどんなに頑張っても手の届かない存在――。
「何をびっくりしているのですか? ふふ。よくやりましたねカケルよ。針の穴を通すような精緻な可能性――よもやあなたが突破できるとは思えませんでした。こればかりは私の範疇を超えた、いやあなたの意志の力が勝ったのでしょうか? うふふふ……」
「あ……はぁ……」
 胸をなでおろす僕。どうやら女神はもう僕をどうにかする気はないらしい。
 さっき大げさに消滅シーンを演じたのもわざとらしい。でも僕にはそんなことどうでもいい。この世界から今すぐ抜けだせるという希望と展望。まだ見ぬ未来が僕を待っていると心軽やかに期待しているからだ。
「は、早く僕を……」
「急かさないでください。私は約束はちゃんと守りますよ」
 女神の両手が合わさる。呪文のようなつぶやきがぼそぼそと漏れる。
 数秒後、空間にさっくりと裂け目ができていた。宇宙――無数の星空をバックに、細長い通路が揺らぎねじ巻きながら大口を開けていた。
 ここが本当に僕の世界へ通じているのだろうか? 沸き起こる疑念。本当に女神を信じて大丈夫なのだろうか。
 僕が逡巡していると、音もなく女神は横に立って静かに囁いた。
「臆してしまいましたか? 私はこの件に関しては、正真正銘一切合財の真実を約束します。このマインディアを救い、神である私すらも倒したあなたならば……これぐらいのことは簡単でしょう?」
「あ……うん……」
 抑揚のない女神の声が、心に響かずお腹から背中へとすり抜ける。
 なんだろうこの気持ち。必死で奮い立たせた希望は根幹から崩れ落ちてしまいそうだ。
 一抹の不安。僕は正しい方向に向かっていると感じているのに。
 いや、これは実際に正しい。正しいはずだという直感と確信。
 とにかく僕はこのままこの世界に居座る理由は存在しない。
 一歩、迷わず踏み出せばいい。僕ならきっとやれる。そうだそうだ――。
「いいいきます!」
 後ろは見なかった。僕は輝く未来を夢見て頭から飛び込んだ。



 
 ……
 ……
「はっ!」
 それは中空だった。重力という鎖と肉体に躍動する血液を同時に感じる。
 次々と感じるリアルな聴覚と視覚に、目まぐるしい脳内分泌が全身を喜びに躍らせる。
 ――僕はついに戻ってきたんだ!
 そう思った瞬間、僕は体を包み込む奇妙な違和感に気づいた。
 落ちている――落下。
 致死に至る重力エネルギーを内包し、記憶の司る走馬灯を描写する暇もなく、僕は灰色の地面めがけて最も不幸な口付けをした。
「ああぁぁっっぁぁ――」
 声帯が震えたわけではない断末魔の心の叫び。視界が一瞬で赤く染まり混沌が訪れる。
 痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い――――。
 マインディアは決して感ずるのことのない、肉体そのものに対する痛い。
 思考する余地、意識が途切れ脳が死に心が死ぬまでの数秒――その貴重な猶予も僕には許されなかった。
 なぜ? どうして? 
 僕に残るのは遠いマインディアの記憶だけ。
 僕は運命に勝ったはずだった。勇気を出して、あのほの暗い洞穴に……。
 間違い? わからないわからない。
 とにかく僕にとっての選択権は何も残っていなかった。
 ぐらりと最後の寝返りをうってみた。
 満天の星空が見えた。
 あの、光る星々の中の一つが、もしかしたら、マインディアではないかと。
 そんなことを、思い耽りながら目をつぶった。





 ……

 ……

 マインディアの女神はふと歪の淵に、上品な仕草で腰をかけてしおらしげにしていた。
 深い奈落の底が眼下に垣間見える。生命ある万物の生き物を、輪廻という定められた循環装置に攪拌し融合する高性能シュレッダーである。
 そこに彼女は網を張っていた。蜘蛛のように粘着質で残酷でもあり、かつ甘く蕩けるような抗いがたい優しい罠を。
 愚鈍な勇者はその網を抜けて落下してしまった。せっかくの美味しそうな獲物をみすみす逃してしまった。
 しかし彼女にとっては極めて些細なことだった。次のゲームを構成するために、従順なる人形を探すべく瞳をぎょろつかせていた。
「どうして彼はいってしまったんでしょうか? 自分だけが特別だと思ってしまった? せっかく私がマインドサキュバスの説明をしてあげたというのに……うふふふ……」
 女神は一人ほくそ笑む。独り言に自ら合いの手と相槌をうちながら。
「ふふふ……うふふふふ♪」
 ひとしきり笑い転げた。その姿は欲望をむき出しにわがままをいう幼女のようでもあった。 
 世界が闇に染まる。しんと辺りが静まりかえる。
 鋭敏な耳をそばだてる。感情の渦がどこからともなく伝わってくる。
 しだいにしだいに大きくなってくる。
 救われないリアリティの嘆き、悲しみ憤り。
「ああ……見える聞こえる。私が……私が救ってあげなくては。さぁ……その姿を……」
 女神は感知した。周囲に寄り付く何かを求めて蠢くもの達の存在を。
 それは不特定多数でもあり誰彼でもある。ただ女神の欲するのは、未だ本当の感情を解き放っていない、前途ある有望な勇者であった。
 そして女神は問いかける。甘く魅了されそうなほど狂おしい声で――。
「お疲れ様でした! 『幻想世界マインディア』いかがだったでしょうか? ええ、わかります。うんうん……はいはい……はい! 言いたいことはこのディア様が全部聞いてあげましょう。ん……はいそうですね。人にはそれぞれ千差万別如何ようにも感じ方があります。それは仕方のないことです……はい! ええ……でも一つだけ、完全なる究極の境地に到達することができるんですよ……。ふふ……その方法……知りたいですか? もうあなたは……知っていると思うのですが……」
 そこで女神は一人の背後に忍び寄り、柔らかな胸を押し当てそっと耳元で囁いた。
「やはり他人の物語では満足できないのですね……。あなたの心がそう言っています。あなただけ、あなたの理想とする世界をマインディアで形づくりましょう。そう……勇気を持って一歩踏み出すだけでいいのです。大丈夫……怖くはありません。ディア様がついています……。あなたの勇気が――希望に変わり世界を救うと信じて……。たった一度、勇気を見せるだけでいいのです。決して二度はいりませんが。さぁ……いらっしゃい。私のもとへ……。ん? まだ踏ん切りがつきませんか? ふふ安心してください……本当に痛くはありませんから。勇者だから特別扱いなんです。あなたの肉体を捨てようとする意志……それだけでいいのです。それだけで、マインディアの勇者として生まれ変わらせてあげます。あなたの願望をそのままに体現した……素敵な幻想世界の始まりです。さ、もう一歩踏み出してください。さぁ……」
 一人の青年が、女神の抱擁に取り込まれた。現実を直視できずに、女神の誘惑に負けふらりと心の扉を明け渡した。ただそれはある意味理想的な展開でもあった。
 背中に乳房をつぶれるほど擦りつけられ、耳の穴を濡れた舌先でねぶられる。心を白く塗りつぶす洗脳に、骨の髄まで支配された。
 深い谷底に向けて、止まらない歩幅に躊躇せず邁進する。
 思考の剥奪、地面との離脱。
 魂をリアリティに変える、神聖なる儀式が今始まった。
 新たなるマインディアの幕開けが今――。

 



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  1. 2013/09/25(水) 22:30:22|
  2. SS
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